日本でインターネットをする人の中で、スマホのみでネットを閲覧する人は約1/4にも上る(ニールセン調べ)そうで、益々Webサイトをスマホ対応する重要性は増してきています。
そんな中、Web制作の現場では、Webサイトをレスポンシブ Web デザインでリニューアルしたいという要望を受ける機会が非常に多くなってきています。
弊社でも、ここ数年Webサイトのリニューアルはレスポンシブ Web デザインの案件がほとんどです。
そこで、あらためてレスポンシブ Web デザインとは何なのか、ということや、そのメリットやデメリットについて、Web制作の現場の目線から考えてみたいと思います。
また、今回の企画の特徴として、広告代理店や印刷会社の営業担当者の方の様に、Web製作が専門領域ではないものの、クライアントからは相談を受けることが多い方々にもレスポンシブWebデザインの本質が理解できる様に、あくまでわかりやすさを優先して、現場の感覚でお話ししたいと思います。
まずは前提から再確認しましょう。
そもそもレスポンシブ Web デザインとは何なのでしょうか?
Googleによると
”レスポンシブ Web デザイン(RWD)は、サーバーからどのデバイスに対しても常に同じ HTML コードを配信し、CSS を使用して各デバイスでのページのレンダリングを変える設定です。”
と定義されています。
いきなりよくわからない単語が多いですね…(笑)。
IT業界の人は、横文字使いすぎですよね、もっとわかりやすい日本語を使ってくれないものか…。
ものすごくわかりやすく言い換えると、
”レスポンシブ Web デザインは、PCやスマホ、タブレットなどどのデバイスでWebサイトを訪れても、一つのデータで適切な見た目を表示させるデザイン手法です”
と言うところでしょうか。
レスポンシブ Web デザインには多くのメリットがありますが、大きなものとしては
1.データが一つで済むため、Webサイトの更新や管理が楽
レスポンシブ Web デザインを採用する大きな理由の一つですよね!
企業のWeb担当者は忙しく、PCサイトとスマホサイト、二つをきちんと管理するだけでも大変ですが、レスポンシブ Web デザインで作られたWebサイトなら一度更新するだけで、PCサイトもスマホサイトも更新されます。
どれだけきちんと管理していても、ミスが出るのが人間。
そんな更新・管理ミスをレスポンシブ Web デザインは防いでくれます。
2.Googleが推奨している
集客の導線のメインが検索エンジンであるWebサイトは沢山あると思いますが、レスポンシブ Web デザインはGoogleが推奨している形式です。
また、Googleで検索された時の順位が優先されるということに関しては諸説ありますが、個人的にはレスポンシブ Web デザインのサイトの方が総合的に検索エンジンでの露出が増える傾向にあると思います。
これに関しては弊社独自に行った調査もありますので、機会があればこのWebサイトで披露したいと思います。
3.今後様々なスマホが発売されたとしても、ある程度対応できる
レスポンシブ Web デザインでWebサイトを作っていれば、今後様々な画面サイズのスマホが発売されたとしても、ある程度対応できます。
スマホの画面が丸くなったり三角になるとすれ話は別ですが、今の縦にしたら長方形の形であれば、数年は対応できるでしょう。
現在Web政策の現場では、もてはやされている感すらあるレスポンシブ Web デザインですが、意外にも複数のデメリットが存在します。
1.表示が重い
一つのデータで複数の画面サイズの機器に対応するために、PCサイトとスマホサイトを分けた場合より、表示に時間がかかる場合が多いです。
要は、”サイトが重いんだけど…!?”とクライアントやユーザーから言われることが増えるわけですね。
そのため、できる限りWebサイトの表示を軽くする工夫をこらしていく必要があります。
2.価格が高い
レスポンシブ Web デザインでWebサイトを作成するには、設計のノウハウが必要なのはもちろんのこと、通常のPCサイトやスマホサイトの作成より工数も増え、当然時間も多くかかります。
つまり価格が今までのWebサイト作成より概ね高くつくということですね。
もちろんこれからどんどん工夫がなされて、レスポンシブ Web デザインの価格も下がっていくと思いますが、まだまだ高くなってしまうのがレスポンシブ Web デザイン最大のデメリットではないでしょうか。
3.デザイン上の制約が多い
複数のデバイスに対応しなくてはならないレスポンシブ Web デザインの特性上、レスポンシブ Web デザインには様々な制約が存在します。
乗り越えることが可能な制約も多いですが、ただでさえ高価なレスポンシブ Web デザインの作成コストがさらに上がるため、シビアな予算との兼ね合いが要求されます。
いかがでしょうか?
最近採用されるケースが多いレスポンシブ Web デザインと言っても、万能のデザイン手法ではないということが何となくおわかり頂けたのではないでしょうか?
現場では更新の手間やSEOの観点から、レスポンシブ Web デザインでリニューアルすることを第一の目的として、予算との兼ね合いをつけながらクライアントの要望を実現することが多いですが、レスポンシブ Web デザインはあくまで手段の一つでしかありません。
本当にその案件はレスポンシブ Web デザインで良いのか、メリットとデメリットをしっかりと検討してからレスポンシブ Web デザインを採用することをおすすめします。