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「ブラックジャックによろしく」の作者である佐藤秀峰さんが、2012年に「ブラックジャックによろしく」に関する知的財産権利をフリー化し、二次創作や自由加工による商用利用を認めたのは記憶に新しいところです。

「ブラックジャックによろしく」の場合は、比較的新しいコンテンツが自由化されたのでインターネット上にもその漫画の加工画像がたくさんあふれました。

※「ブラックジャックによろしく」は著作権を放棄したわけでなく、利用をフリー化しているだけです。

著作権の保持期間は、作者の判明しているものであれば、作者の死後50年、誰が著作権者かわからないものや、団体が発表した著作物の場合は発表後50年、映画に限り公表後70年(2003年以前に保護期間が完了した作品については公表後50年)となっています。

つまり、われわれの生きている2016年現在、どんどん過去の映像作品やキャラクターが著作権切れになっていきます。

当然、「ブラックジャックによろしく」のように有名なコンテンツを二次利用し、面白いコンテンツを作成していくのはクリエイターとしては有効な手段となります。

では、著作権切れしたコンテンツを加工して、バナーなどとして自社のウェブサイトに利用していくのは問題ないのでしょうか?

今日は法律の観点から考えてみたいと思います。

 

著作権切れしたコンテンツをホームページに使ってもいいのか。加工は許されるのか。

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かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画、モナリザの画像をホームページにそのまま載せるのはいいのでしょうか。

これは原則OKです。レオナルド・ダ・ヴィンチは1519年に死亡しています。著作権保持期間が過ぎていますので、自由に利用をしてOKです。

このような著作権切れしたコンテンツを、「パブリック・ドメイン」と呼びます。

では、モナリザの目を赤くして、実はヴァンパイア(吸血鬼)だったというパロディ画像を作成し、公開するのはOKなのでしょうか?

先に答えを言うとOKです。

しかし、作品を改変した場合は、著作権だけでなく、著作者人格権という権利の中の「同一性保持権」という内容に抵触します。

同一性保持権とは、『作者の意を害す』改変を禁ずる権利です。作者がモナリザを書く上で見る人に与える意図した印象を変えてはならないという事です。

この権利は、作者の没後、孫の代の遺族までが訴える権利を持ちます。

モラルなどの面を考慮しなければ、孫の代はすでにお亡くなりになっているため自由改変をしたところで訴えられることはありません。

ですので、モナリザは世界中に多くのパロディが存在します。

 

また、細かいようですが、誰かが撮影したモナリザの画像を改変するのは問題があります。

撮影対象がモナリザであっても、改変前の画像の著作権は撮影者に帰属します。勝手に人が撮影した画像を加工するのは著作権侵害に当たります。

このあたりは注意してください。

 

最近著作権が切れた著作物の場合は要注意

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このキャラクターをご存知でしょうか?ほうれん草を食べてパワーアップする水兵のポパイです。

実はこのポパイもすでに著作権が切れています。作者の死後50年が経過しているからです。

では、モナリザの例と同様に、ポパイを自社のバナーに起用し、自由に改変してもいいのでしょうか?

例えば、ポパイがあるサービスをホームページ上で売り込んでいる姿は「同一性保持権」を侵害する可能性があります。

作者はすでに死亡しており、パブリックドメインとなっていますが、まだ生存している遺族(孫まで)に「同一性保持権」で訴訟する権利が残されています。

あまりにキャラクターを破壊するような利用の仕方の場合は注意が必要です。

 

今後、著作権切れコンテンツの利用は進むのか

著作権切れコンテンツの二次利用は、いろいろなウェブサービスにおいて非常に有用だと思います。

しかし、上記のような法律問題が大きく発生するため、公的にパブリックドメインを管理する団体があると、より二次利用が進むのではないかと思っています。

各コンテンツの作者没時年月日がはっきりと示される機関があれば、クリエイターもリスクを取らず、二次創作が行えます。

日本でも稀代のミステリー作家、江戸川乱歩の著作権が今年中に切れるのは有名な話です。

ぜひ、より安全に二次利用できるような社会になってもらえるとよいと思います。